小説「タラント」読了報告!著者 角田光代

こういうのでいいんだよ

自分の人生に「使命」はあるのか

タイトルの「タラント」は、才能や賜物、そして使命という意味を持つ言葉です。

でも、読み終わって感じたのは、

「自分には、何ができるんだろう?」

という、もっと身近な問いでした。

40歳を前にした「みのり」

主人公のみのりは、学生時代にはボランティア活動に熱心だった女性。

海外にも出かけ、何かをしている実感があった。

ところが、ある出来事をきっかけに心に傷を負い、次第に無気力になっていきます。

そんなみのりのもとに、祖父に関する手紙が届く。

そして、不登校になった甥と一緒に祖父の過去を調べるうちに、戦争やパラスポーツへと物語が広がっていきます。

ここからが、この小説のおもしろいところ。

過去の出来事が、現在の人間に思いがけない形でつながっていく。

「何者かにならなきゃ」と思ってしまう

読んでいて、みのりの気持ちが妙に気になりました。

若い頃は、

「何かをしたい」

「誰かの役に立ちたい」

と思う。

でも、年月が経つと、

「自分は何をしてきたんだろう?」

となることがある。

別に大きな失敗をしたわけでもない。

それでも、自分だけが取り残されたように感じる。

これって、案外あることじゃないでしょうか。

タラントって何だろう

才能というと、どうしても特別な能力を想像します。

スポーツができる。

絵が描ける。

文章がうまい。

仕事ができる。

でも、この作品を読んでいると、それだけじゃない気がしてきます。

誰かの話を聞くこと。

忘れられていたことを覚えていること。

誰かのために動くこと。

そんなものも、その人だけが持っている「タラント」なのかもしれません。

もちろん、これは僕の読み方です。

読み終えて

『タラント』は、戦争や家族、ボランティア、パラスポーツなど、いろいろなテーマが出てきます。

それらが、みのり自身の人生と少しずつ重なっていく。

「人生には意味がある」

と簡単に言い切らないところも、個人的には好きでした。

意味なんて、あとから振り返って初めて見えてくることもありますから。

まとめ

『タラント』を読んで考えたのは、

「自分に何ができるか」

よりも、

「自分がこれまで生きてきた中に、何が残っているのか」

ということ。

才能や使命というと、ちょっと大げさに聞こえます。

でも、もしかするとタラントは、もっと身近なところに転がっているのかもしれません。

おわりに

オイラは思いました~。

人生の途中で、

「自分には何もないな」

と思うことがあっても、そこで終わりじゃない。

むしろ、これまで生きてきた時間の中に、まだ自分でも気づいていない何かがあるのかもしれない。

そんなことを考えながら、本を閉じました。

本日の川柳

人生は 無駄と思った ものだらけ

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