日本映画って聞くと、
「古そう」「地味そう」「難しそう」
だいたいこの三点セットが出てきがち。
でもね、最初の一本として意外とちょうどいいのが
小津安二郎
小津映画って、何がすごいの?
一言でいうと、
事件が起きないのに、人生が進む映画。
誰かが殴られるわけでも、
世界が滅びそうになるわけでもない。
あるのは、
・親と子の距離
・結婚する/しないの空気
・年を取るという事実
・言わなかった言葉
そういう、日常に埋もれてる感情。
画面が低い? それ、理由あります
小津映画を観てまず思うのが
「カメラ、低くない?」ってこと。
あれは畳に座った目線。
つまり、
観客は「のぞき見」じゃなく
その場に座って会話を聞いている人になる。
だから感情が押しつけられない。
静かに、じわっと来る。
セリフが少ないのに、伝わる理由
小津映画は説明しない。
「悲しい」と言わない。
「寂しい」とも言わない。
代わりに、
・間(ま)
・沈黙
・湯のみを置く音
・廊下の静けさ
そういうもので心情を伝えてくる。
正直、慣れるまでちょっと眠い。
でも気づくと、
自分の人生と重ねて観てしまう。
まず何を観ればいい?
最初ならこのあたり。
・『晩春』
・『東京物語』
・『秋刀魚の味』
どれも
「親子」「別れ」「時間の流れ」がテーマ。
派手じゃないけど、
観終わったあとに残るのは、
不思議な静けさ。
日本映画の入口として、なぜ小津なのか
小津映画は、
「こう感じろ」と言ってこない。
だからこそ、
観る側の年齢や経験で、
毎回ちがう映画になる。
若い頃は退屈、
年を重ねると刺さる。
人生が進むほど、評価が上がる監督。
おわりに
オイラは、
小津映画は「面白い」というより
「あとから効いてくる映画」だと思ってる。
飲み会の翌日に思い出す一言みたいに、
ふとした瞬間に、胸の奥で再生される。
日本映画、どこから入るか迷ったら、
まずは小津安二郎。
本日の川柳
何も起きぬ はずが感情 忙しい