犬が一匹やって来ただけで、人の人生って変わるものなのか。
山本甲士さんの『迷犬マジック』を読みました。
登場するのは、飼い主が見つからない不思議な犬、マジック。
そして、日常に悩みや行き詰まりを抱えた人たちです。
マジックと関わるうちに、それぞれの暮らしが少しずつ動き始めます。
犬がつなぐ人と人
物語は、春・夏・秋・冬の四つのお話で構成されています。
認知症を疑われているおじいちゃん。
路上ライブをする若者。
理髪店を営む男性。
仕事を辞め、新しい生活を始めた女性。
年齢も境遇も違う人たちの前に、マジックがひょっこり現れます。
犬を預かることになり、散歩に出かける。
すると、今まで接点のなかった人との出会いが生まれます。
そこから少しずつ、日常が変わっていくんですね。
マジックが何もかも解決してくれるというより、人と関わるきっかけを作ってくれる。
このあたりが面白いところです。
人生を変えるのは、ほんの小さなきっかけ?
人間って、悩みがあるときほど視野が狭くなりがちです。
自分から動こうと思っても、なかなか一歩が出ない。
そんなとき、いつもと違う出来事が起きると、思いがけず道が開けることがあります。
犬との散歩も、そのひとつ。
挨拶を交わしたり、ちょっとした会話をしたり。
そんな些細なことから、人とのつながりが生まれていきます。
ただ、現実は小説のように都合よく進むとは限りません。
それでも、何かを始めるきっかけは、案外身近なところに転がっているのかもしれませんね。
まとめ
『迷犬マジック』は、不思議な犬との出会いを通して、人と人とのつながりを描いた作品です。
人生がうまくいかないとき、必要なのは大きな決断だけではない。
誰かとの出会いや、いつもと違う行動が、次の一歩につながることもある。
そんなことを考えながら読める物語でした。
おわりに

オイラは思いました~。
人間同士だと、相手の事情を勝手に想像したり、言葉の裏を読もうとしたり。
それが面倒になることもありますよね。
犬は言葉を話しません。
だからこそ、こちらが相手を理解しようとするのかな。
人との関係も、まずは相手を知ろうとするところから始まるのかもしれません。
マジックのような犬が、我が家にもふらっと現れたら……。
いや、まずは車椅子でも一緒に散歩できる環境が必要ですね。
そんなことまで想像してしまいました。
本日の川柳
迷い犬 拾ったつもりが 拾われる