今回読んだのは、朝倉かすみさんの時代小説『けんぐゎい』です。
第175回直木賞を受賞した作品。
江戸時代を舞台に、容姿や境遇によって世間の外側に追いやられた女性たちの生き方を描いています。
読みどころは、時代が違っても簡単には消えない、人間社会の理不尽さです。
「けんぐゎい」って、どういう意味?
タイトルの「けんぐゎい」は「圏外」。
つまり、世間の枠から外れた人たちのことです。
物語の中心となるのは、顔や体に痘痕(あばた)が残った姉のふゆと、美しい容姿を持つ妹のりよ。
同じ姉妹なのに、見た目や境遇によって周囲からの扱いが変わっていきます。
これって、江戸時代だけの話なんでしょうか。
人は相手の中身を知る前に、見た目や肩書きで判断してしまうことがあります。
自分では公平に接しているつもりでも、知らないうちに誰かを枠の外へ追いやっている。
そんなこともあるのかもしれません。
時代小説なのに、現代にもつながる
本作では、女性が自分の人生を自由に選ぶことの難しさも描かれています。
望まない妊娠や、女性の身体をめぐる問題。
今の時代にも通じるテーマです。
もちろん、江戸時代と現代では社会の仕組みも違います。
それでも、生まれ持った条件や周囲の価値観によって、生き方を制限される人がいる。
時代小説という形だからこそ、今の社会を少し離れた場所から眺められる面もありそうです。
まとめ
『けんぐゎい』は、世間の枠から外れた人たちを通して、人間の価値や生き方を考えさせる作品です。
誰が枠を決めているのか。
その枠から外れたら、本当に価値がなくなるのか。
そんな問いが浮かんできます。
おわりに

オイラは思いました。
人間って、誰かを評価するときには、つい自分の物差しを使ってしまうものですよね。
でも、その物差しが誰にでも当てはまるとは限りません。
世間の真ん中にいる人も、外側にいる人も、同じ人間。
自分がどちら側にいるかより、誰かを簡単に「圏外」扱いしないこと。
そんなことを頭の片隅に置いておきたいと思いました。
本日の川柳
人のこと 笑っていたら 我が身にも